第23回日本小児がん看護学会学術集会 看護基調講演の開催報告

2025年11月に福岡で開催されました、第23回日本小児がん看護学会学術集会の看護基調講演の開催報告です。

2025年は国際交流委員会と学術集会プログラム委員会の合同企画により、フィンランドのオウル大学のTarja Pölkki先生をお招きすることができました。

約45分間のご講演では、こどもの痛みの特徴やその評価、介入とマネジメント、そしてデジタルソリューションの活用可能性についてお話いただきました。介入では非薬物療法のトピックを中心に、ディストラクションをはじめとしたさ様々なアプローチを、そのエビデンスとともに丁寧に解説くださいました。

講演後はMentimeterを用い、参加型のセッションを行いました。その一部をご紹介いたします。

詳細はこちらのPDFファイルをご参照ください。

最後に、参加されたみなさまからのアンケート結果を共有します。

いただいた感想やご意見を参考に、運営方法や参加されるみなさんとのディスカッションの充実など、次年度以降の企画に活かして参ります。

感想では、親御さんがこどもと一緒に処置に参加することの大切さと同時に、それを躊躇する気持ちについても共有いただきました。処置に関わる様々な職種の理解も関係しますし、親御さん同席の環境を整えても、うまくいかなかった経験をされた方も少なくないと思います。

これについて少し資料をたどってみますと、小児がんのこどもの針穿刺に伴う苦痛緩和のためのガイドライン(Erik A.H. Loeffen et al., 2020)では、医療者はこどもが希望する際には処置に保護者が立ち会う選択肢を提供すべきであること、保護者の立ち会いがこどものディストラクションや安心感を高めることが示されていました。合わせて、保護者が処置に同席する際に、保護者は苦痛を緩和したりこどもの対処能力を高めるのに有効な行動や方法についての情報を提供されるべきとも述べられており、「どのように同席するのか」について保護者と丁寧に話し合っていくことがキーと言えそうです。また、処置時の親の同席の有無を比較しまとめたレビューでは、親がこどもの処置に同伴することについての良い影響について示した報告には効果があったものとなかったもの双方の報告がみられたものの、親の同伴がこどもの恐怖や不安、苦痛に悪影響を及ぼすことはなかったことを強調しています(Rheel E, et al., 2022)。

私たち看護職のこどもの苦痛緩和に向けた働きかけには、処置への親御さんの同席という選択肢に寛容な雰囲気を作ったり、こどもが親の同席を希望する際に親御さんと一緒に戦略を練っていくプロセスを大切にしていくといった日々の心がけが含まれることを、改めて感じました。

国際交流委員会 委員長 入江 亘

参考文献

・Loeffen EAH, Mulder RL, Font-Gonzalez A, et al. Reducing pain and distress related to needle procedures in children with cancer: A clinical practice guideline. Eur J Cancer. 2020;131:53-67. doi:10.1016/j.ejca.2020.02.039

・Rheel E, Malfliet A, Van Ryckeghem DML, Pas R, Vervoort T, Ickmans K. The Impact of Parental Presence on Their Children During Painful Medical Procedures: A Systematic Review. Pain Med. 2022;23(5):912-933. doi:10.1093/pm/pnab264